ピンチをチャンスに。オンライン地域交流イベントで関係人口を増やす南伊豆町

July 31, 2020
ピンチをチャンスに。オンライン地域交流イベントで関係人口を増やす南伊豆町
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上の写真は南国を彷彿させるエキゾチックな自然が豊かな、静岡県南伊豆町の風景。2019年の夏に撮影された写真だ。2019年までは夏には海水浴客で賑わっていたが、今年はこの光景を見ることは難しいだろう。
新型コロナウイルスの影響で、旅行に出かけられないと嘆く都市部の消費者。来訪客が激減し、打撃を被っている観光地。ここで紹介するのは、両者をつなぐことでお互いがハッピーになれる新しい試みである。

提供:KitchHike

イベントタイトルの一例を挙げると、「漁師が教える伊勢海老の味噌汁、地魚の刺し盛り」、「地元の洋食屋さんに教わるサザエのアレンジ料理」――。「食でつながる暮らしをつくる」をコンセプトにさまざまな取組みを行うWEBサービス「KitchHike(キッチハイク)」と、静岡県は伊豆半島の最南端に位置し、豊かな海産物や農産物が楽しめる南伊豆町がコラボレーションして実現したオンラインイベントだ。

提供:KitchHike

地元漁師が「直接」伊勢海老のさばき方を伝授

2020年5月16日に開催された第1回はこんな内容だった。
まずは事前にKitchHikeで募った参加者のもとに伊勢海老と地魚、日本酒が届けられる。そして、当日、参加者はオンライン会議システムにログインする。定刻になるとKitchHikeのプロデューサー古屋達洋氏が進行役となり、伊勢海老漁師の平山文敏氏が参加者に対して伊勢海老のさばき方や味噌汁のつくりかたをレクチャー。完成後は、料理を食べながら参加者全員で交流する。

地元漁師の平山文雄氏がカメラの向こうの参加者へ
伊勢海老のさばき方をレクチャー。
提供:南伊豆新聞
提供:KitchHike

好評を受けて同内容でもう1度開催したのち、南伊豆町のレストラン兼宿泊施設「しいの木やま」のオーナー料理人である鈴木功氏と一緒に料理をつくるスタイルで2回開催。すでに計4回が盛況のうちに終了している。参加費は各回3,000~4,500円程度で、定員は同15~20人。KitchHikeでユーザー登録をすれば、だれでも参加できる。

熱量の高い「関係人口」を、オンラインで生み出す3つのコツ

今回のオンライントラベルの地元側のコーディネーター役として活躍した
「南伊豆新聞」の伊集院一徹編集長
提供:南伊豆新聞

「地域おこし協力隊」として2年前に南伊豆に移住し、イベントのコーディネートを担当した「南伊豆新聞」の伊集院一徹編集長は「オンラインというこれまでなかったチャンネルによって『関係人口』を増やすことが目的です」とイベントの狙いについて話す。関係人口とは、定住するほどではないが、一度観光で訪れたという程度でもなく、継続的に特定の地域や地域住民とかかわる人々を指す概念である。「ただ、一概に関係人口といっても、別荘などを持って拠点とする、年に何回か訪れる、ふるさと納税をするなど、関わり方のレベルはさまざま。平たくいえば地域のファンになるということなのですが、より熱量の大きなファンになってもらうように趣向を凝らしました」と古屋氏は続ける。

このイベントの特徴は以下の3点に要約できる。
①体験型のアトラクションである
②個人にフォーカスしている
③参加者同士の交流に重きを置いている

オンラインでも“体験”要素を盛り込む

1点目「体験型のアトラクションである」に関しては、伊勢海老や地魚、サザエやニューサマーオレンジを自宅に届け、参加者が実際に伊勢海老をさばいたり、サザエやフルーツを使った料理をつくるという形で実現した。伊勢海老をさばくなどという体験は、リアルの旅行でもなかなかできるものではない。「そこがアトラクションといえる所以です。地域の魅力を五感で味わっていただけると自負しています」と古屋氏。イベントの範疇をこえた‶オンライントラベル″といえるかもしれない。

画面上で漁師が実演してくれるものの、生きた伊勢海老をさばく作業は初心者には難儀。その体験が記憶に残るのだろう。
提供:KitchHike

地域の魅力=“人”の魅力。個人にフォーカスした演出

2点目の「個人にフォーカスしている」という着眼点もおもしろい。「生産者や料理人を登場させ、個人に興味をもってもらうことで、参加者は地元の生産者や料理人に対して一層親近感を覚え、現地を訪れる積極的な動機が生まれます。あの人に会いに南伊豆に行こうとなるわけです。それが結果的に地域と消費者のあいだにより深い関係性が構築されることになると考えています」(伊集院氏)。伊集院氏は「南伊豆くらし図鑑」というWEBサイトを立ち上げ、住民の生活にスポットをあてるとともに、地元住民の暮らしを体験できるサービスも提供している。

伊勢海老のさばき方を参加者に伝授した地元漁師の平山文敏氏。普段からSNSを活用し、伊勢海老だけでなく、地魚の魅力も発信している。
提供:南伊豆新聞
洋食がおいしいと評判の宿「しいの木やま」を営む鈴木功さんは、サザエを使った料理のつくり方をレクチャーした。リングライトなども使い、撮影環境も整えている。
提供:南伊豆新聞

オンラインだからこそ大切な、一緒にごはんを食べる時間

3点目「参加者同士の交流に重きを置いている」については、魚介をさばいたり、料理をつくって終わりではなく、かならず参加者が一堂に会して食事を楽しむ時間を設けている。「もともとKitchHikeは『みんなでごはんを食べるアプリ』を標榜していますから。食によって人と人とがつながるということをオンラインでも体験していただきたかった」と古屋氏は説明する。こうした時間を設けることによって、同じ地域に興味を持つ人が繋がり合い、オフラインでも一緒に地域を訪れる機会を生むことにもなる。

漁師の手ほどきを受けながら、伊勢海老と一緒に届いた白身魚をお造りに。
子どもにとって忘れられない経験になるだろう。
提供:KitchHike

以上のような仕掛けが奏功し、今回のイベントは好評を博したという。また、参加者は年代も性別もさまざまだが、家族で参加するケースが目立った。「リアルのイベントであれば、小さなお子さんがいる方、介護をしている方、さらに遠方にお住まいの方は参加しづらい。それがオンラインであれば、気兼ねなく参加できる。これも開催してみて気づいたオンラインのメリットです」(古屋氏)。

実は高い一体感を得られる、オンライントラベルの可能性

今後は主催者の狙いどおり、参加者が南伊豆に足を運ぶことが期待されるが、その一方で、地元漁協などと協力し、参加者が割引で食材を購入できるECサイトも開設された。参加者が伊勢海老をクレジットカードなどによるオンライン決済によって購入したケースも少なくないといい、早くも効果が表れている。

南伊豆町の地方創生室主事、山口一実氏は「オンラインイベントを開催したことで、新たな事業展開が見えてきました。これまでのような集客型のイベントにはない主催者と参加者との高い一体感が得られる試みであり、『作るという体験』を提供できることから参加者の満足感につながる。消費や来訪意欲の向上に大きく貢献できると思います」と手ごたえを語る。

南伊豆町地方創生室の山口一実氏(右)と「南伊豆新聞」編集長の伊集院一徹氏(左)。
提供:南伊豆新聞

これまでの4回は募集開始とほぼ同時に定員が埋まる盛況ぶりだった。同様の体験型オンラインイベント、あるいはオンライントラベルは、需要に対して供給が追いついていないと古屋氏は分析する。「KitchiHikeのユーザーは10万人程度いますが、彼らは食や地方文化に対する感度が非常に高い。今後は彼らに向けて日本各地で行われている食に関する催しをオンラインで体験し、旅行気分を味わってもらう企画も用意しています」(古屋氏)。

リアルでなければできないことがあるのと同じように、「オンラインだからこそできること」はいくらでもある。コロナ禍というピンチのときこそ、それをチャンスに変える前向きな発想が必要なのはいうまでもない。

オンライントラベルを賢く楽しもう

「オンライン体験」の機会は、現在増加傾向にある。もちろん、申し込みや決済もオンラインで完結することがほとんどだが、決済にクレジットカードを使用することで多くのメリットを得ることができる。

今回紹介したようなオンライントラベルへの参加費はもちろん、参加後にECサイトで食材をリピート購入する際にも使用できるほか、日常生活の中でも、公共料金の支払い、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでの買物など、さまざまなシーンでポイントを貯めることができる。さらに、一度ポイントを交換すれば、有効期限が無期限になるカードも。貯まったポイントの使用方法もカードによって違うため、カード利用の支払いから、マイルや提携ポイントへの移行、カード会社が厳選した特別なアイテム・体験との交換など、ライフスタイルに合わせて多様な選択肢があるクレジットカードを選ぶとよいだろう。

オンライントラベルを賢く楽しむ方法。
アメリカン・エキスプレスのポイント・プログラム <メンバーシップ・リワード®>詳細はこちらから。

TEXT:石田哲大、PHOTO(アイキャッチ提供):南伊豆新聞 ※その他の提供元は各写真に記載

LifExpress編集部

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