瀬戸内海に浮かぶ上質な宿「ガンツウ」から見た日本

March 15, 2019
瀬戸内海に浮かぶ上質な宿「ガンツウ」から見た日本
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瀬戸内海は、北は本州、南は四国、南西は九州に囲まれ、なだらかな起伏の海岸線に抱かれて、東西約400キロに広がっている。数千年にわたり、太平洋と日本海をつなぐ重要な商用水路となってきた。この海域にはさまざまな遊覧船が長い間行き来してきたが、新たに登場したガンツウ(guntûほど上質なものはなかったと言っていい。「せとうちに浮かぶちいさな宿(floating hotel)」を自称するガンツウは、驚くほど快適な小型のクルーズ船で、内装は限りなくミニマリストだ。

住宅専門の建築家で東京に拠点を構える堀部安嗣氏がデザインを手がけた、全長81.2メートルのガンツウは、これ以上ないほど日本らしさに溢れている。広島県の港町、尾道市にあるプライベート・マリーナから乗船した際に筆者の目に留まったのは、船のロビーの装飾で、それはユリを一輪生けた花瓶を支える、よく磨かれた木の輪切り1つだけというものだった。筆者が泊まる客室は、床から天井までの窓が付いた木造風の部屋で、手作りのシンプルな家具が設えられていた。浴室にはパリッとした綿の浴衣が、冷蔵庫には新鮮な生姜ジュースが、そして客室内のこぢんまりとした居間には盆栽に関する本が数冊、それぞれ用意されていた。まるで思い描いていた理想の旅館のようだった。違いといえば、海に浮かんでいるということだけだ。

3階建ての船内には客室がわずか19室。一番大きいものは広々とした90平方メートルで、船の客室というよりはまるでプライベート・ヨットだ。最上階のデッキは1つのリビングエリアとして作られているが、3日間の滞在中、他の乗客と鉢合わせることはほとんどなかった。露天風呂付きの自室テラスを満喫している人もいれば、スパの施術を受けている人、船内の大浴場でゆったりしている人などがいた。

瀬戸内海には700もの島々があり、人が住んでいるのはその一部だけだ。ガンツウに備え付けられた2隻のボートで参加する船外体験が毎日行われているので、筆者も参加してみた。鹿島では漁師の男たちが、まるで針のように小さなシラスが、これまたうらやましいほどたっぷり詰まった網を引き上げているのを見かけた。宮島にはある朝、観光客が押し寄せる前に上陸した。砂利道を散策し、木々に覆われた丘の頂へと続く古びた石段を上り、そして満潮時には広島湾から隆起したかのように見える有名な神社、6世紀に建立された厳島を近くで眺めた。

とはいえ、筆者はほとんどの時間を、洗練されたガンツウの空間を満喫することに費やした。監修元の東京の和食店「重よし」で修行した料理長、古川敦久氏の手による、地元の鮮魚や箸で切れるほどの柔らかい和牛を使った、忘れがたい全11品のフルコースディナーが目の前に現れ、料理は一皿ごとに異なる手焼きの皿で提供された。筆者はまた、船にいる多くの達人の技を堪能した。背中をほぐしてくれた指圧マッサージ師。抹茶を点てること、そして飲むことがどれほど複雑かを教えてくれた菓子職人。著名な寿司職人である坂本亙生氏は、寿司の巻き方と切り方を教えてくれた。緑豊かな島々がのんびりと流れていき、漁船から手を振る漁師の姿が通り過ぎていくのを窓の外に眺めつつ、巻き寿司の作り方や食べ方をこれほど親切に教えてくれるところは、6席のこの木製鮨カウンター以外、ほかにあまりないだろう。

予約guntu.jpにて。2泊3日で1人あたり3,510ドルより(訳注:英語記事掲載時。詳細はリンク先ご確認ください)。

 

この記事はTravel & LeisureのLisa Graingerが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。

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