古いCDケースがカトラリーに。Pebbleがデザイン力で推進するサーキュラーエコノミー

January 25, 2021
古いCDケースがカトラリーに。Pebbleがデザイン力で推進するサーキュラーエコノミー
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コロナ禍で“おうち時間”が増える中、家の片付けや断捨離をするなど、モノとの付き合い方について考えた人もいるだろう。単にデザインや機能性、そして価格だけで私たちがモノを選ぶ時代は終わったようにも思う。そのブランドや企業の考え方に共感するかどうか、自然環境や公平な商取引に配慮されているかどうか、使っていて気持ちがいいかどうか…。そんなモノサシがモノ選びの際に重要になってきている。

ファレル・ウィリアムスとのコラボ食器

OTHERWAREの携帯カトラリーセットPebbleは、その高いデザイン性で注目されているアップサイクル製品だ。

OTHERWAREの携帯カトラリーセットPebble
フォーク・ナイフ・スプーンだけでなく、ストローや箸もコンパクトに収まる設計

このカラフルなカトラリーは、元々は、今年開かれる予定だったファレル・ウィリアムスの音楽フェスティバルのために開発された(フェスティバルは新型コロナウィルス感染拡大の影響で中止された)。音楽フェスティバルでは、フード屋台やケータリングなどの“フェス飯”を楽しみにしている人も多いが、その時にたくさんのプラスチックごみが出る。それを避けるために、ファレル・ウィリアムスのアパレル・音楽レーベルI am Otherとデザイン会社Pentatonicがコラボしたブランド「OTHERWARE」でつくられたのが「Pebble」だ。I am Otherのテーマカラーである青、水色、紫、オレンジ、黄色のポップな5色を使用。人々が使いたくなるようなスタイリッシュなデザインに仕上げることで、一度きりの使い捨て食器からこのエコなカトラリーに切り替えて貰うことを狙った。

OTHERWAREの携帯カトラリーセットPebble
食事に必要なカトラリーが手のひらサイズに収まる。

Pebbleはリサイクル素材を使って作られている。ケース部分はリサイクルCDケースを精製したプラスチックを使用し、カトラリーの持ち手部分は食品パッケージのプラスチックが再利用された。音楽ストリーミングの登場により需要の下がったCDケースを音楽イベントのために再利用する。そんなストーリーは、音楽の歴史が移り変わっていく瞬間に立ち会っているようで感慨深い。ケースにはmade by music(音楽から作られた)と書かれているが、use with music(音楽とともに使う)なカトラリーがこれからの音楽イベントを変えていくのだ。

OTHERWAREの携帯カトラリーセットPebble

エコ意識が高く、流行に敏感な若い世代に人気

日本でもマイ箸がブームになった時期があったが、Pebbleはマイ箸だけではなく、マイストロー、マイフォーク、マイスプーンにマイナイフもついており、どんな料理でもこれひとつで賄える。手のひらサイズで鞄に取り付けられるため携帯しやすい。デザインやテックオタクで、流行に敏感な20〜30代からの支持が高いのも納得だ。価格は55€(送料別途)、自社ECサイトでの販売の際にはクレジットカードを含むオンライン決済が採用される。

「具体的な数は言えませんが、2020年の7月1日に発売してから当社の予想を超える売れ行きとなり、もう在庫がほとんどありません」と、Pentatonic社の共同創設者であるJamie Hall氏は語る。予想外の反響に、嬉しい悲鳴が上がっている状況だという。

OTHERWAREの携帯カトラリーセットPebble
ケースにはフックが付いているため携帯性も高い。

サーキュラーエコノミーをデザインで実現

Pebbleを開発したPentatonic社は、サーキュラー・エコノミーに特化したデザイン&制作会社だ。ロンドンとベルリンを拠点にし、社内にデザイナーやリサイクルの専門家、エンジニアが在籍している。デザイン、製造、リサイクル、企業コンサルティングの分野をカバーし、リサイクル専門業者約300社と協業しながらプロジェクトを進めている。いわば、デザイン力で環境課題への解決策を導き出すプロフェッショナルだ。プロジェクトを行う場所が世界中に渡るため、カーボンフットプリント*1の観点から、それぞれ地元の業者と協業してその地域に特化したリサイクル課題に取り組む。

*1:商品およびサービスの原材料調達から生産、流通、廃棄、リサイクルに至るまでのサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算し、可視化したもの

彼らがつくるモノは、単なるリサイクル製品ではなく、クリエイティブの力を使ってより魅力的な商品に“アップサイクル”されている。Pebble第一弾の反響を受けて、3種類の新色が追加された。黒など落ち着いた色味もあり、前回より大人っぽい印象だ。OTHERWAREはこれからもエココンシャスな商品を発売していく予定だそう。

消費者のエコ意識に企業が追いついていない状態

サーキュラー・エコノミーの普及においては、製品が元々リサイクルを前提でつくられていること、そして不要となった製品を回収する仕組みが確立していることが鍵となる。イギリスでは、プラスチックリサイクルの推進戦略としてデポジット・リターン・スキーム(DRS)という返金システムがあるが、Pebbleも例外ではない。不要になったPebbleを送り返した場合、8〜10%の割引が受けられる。Jamie氏は「今後、デポジットリターンをインセンティブとして不要となった自社製品を回収し、リサイクルする企業は増えていく」と今後のリサイクルの展望を語る。

「アップサイクル製品やサーキュラーエコノミーはまだまだ始まったばかりですが、消費者の需要が高まっているため、企業もそのニーズに合わせる必要があります。この分野においては企業側より消費者の意識が高く、それにまだ企業がついていけていないのが現状です」(Jamie氏)。

プラスチック再利用でより一層求められる国内処理

日本のプラスチックのリサイクル事情に目を向けてみると、2019年にプラスチック資源循環戦略が策定されたことで、使い捨てプラスチック製容器や包装の使用・廃棄削減、プラスチック製買い物袋の有料化など、脱プラスチックへの意識が高まっている。また、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的汚染ゼロを目指すことも決まり、プラスチックのリサイクルが本格化した。

以前は約140万トンの廃プラスチックを中国やタイ、ベトナムに資源として輸出していた日本。しかし、禁輸措置によりその数が激減し、2019年には約90万トンになった*2。それでもドイツに続き世界第2位の輸出量である*3。現在、全面輸入禁止のインドや規制を強めるマレーシアなど、ほとんどの国で廃プラスチックごみの輸入規制をしており、2021年からはリサイクルに適さない汚れたプラスチックごみの輸出にも制限がかかる。今後、国内で廃プラスチックを処理・有効利用する仕組みが必要となるのは明らかだ。

2021年、Pentatonic社は東京でもプロジェクトを予定している。東京で廃棄されたごみがどんなカッコいいプロダクトになるのか今から楽しみであるとともに、国内でも「アップサイクル」に一層注目が集まり、社会が大きく動くことを願っている。

*2:「廃プラスチックのリサイクル等に関する国内及び国外の状況について」,環境省,2020
*3:「廃プラスチックの貿易フローに変化(世界)」,日本貿易振興,2020

OTHERWAREの携帯カトラリーセットPebble

社会課題解決に直結する購買行動を支えるものとは?

今回紹介したPebbleのように、社会課題解決をミッションに掲げる企業や社会的責任を果たす企業がより強く信頼される傾向が強まっている昨今、製造過程や製造元などの背景を知ったうえで、商品・サービスを購入するという意識は今後ますます高まるだろう。また、物流や決済手段のバリエーションが増えてきているため、海外企業の商品・サービスを購入するハードルも低くなっている。

海外から商品を購入する際の決済手段として考えれば、やはりクレジットカードは群を抜いて使用頻度が高い。しかし、海外ECサイトでの決済となると第三者へのクレジットカード情報の流出という不安も少なからずあるだろう。アメリカン・エキスプレス・カードには「オンライン・プロテクション」と呼ばれるサービスが付帯しており、第三者によるインターネット上での不正使用と判明したカード取引については、原則として利用者が利用金額を負担する必要はない。海外サイトでのオンラインショッピングを安心して楽しむためには嬉しい仕組みだ。

消費者としての共感を「購入」という行動で示すことで、その取り組みを応援することができる。1人1人の行動が社会課題の解決へ直結しているのだ。国内だけでなく、海外企業の商品も安全に購入できる決済手段を得ることで選択肢が増えれば、社会課題をより身近なものとして捉えることができるのではないだろうか。

TEXT:川人わかな 写真提供: Pentatonic

▼Pentatonic 公式HP
▼OTHERWARE 公式HP

LifExpress編集部

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