「小さな買い物」を「大きな応援」へと変換するスモールビジネス応援スキーム

October 30, 2020
「小さな買い物」を「大きな応援」へと変換するスモールビジネス応援スキーム
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アメリカン・エキスプレスのカードで決済をすると、もれなく30%がキャッシュバックされる――。
2020年7月3日から9月24日までの期間中、全国約10万の加盟店でアメリカン・エキスプレスがそんなキャンペーンを実施していたのをご存知だろうか? 

「小さな買い物、大きな応援。一人ひとりの小さなお買い物が、地域のお店へのBACKING(=応援)になる」

そんなステイトメントを掲げ、アメリカン・エキスプレスでは“スモールビジネス”を応援する取り組みを毎年実施している。2019年までは「SHOP LOCAL®」というタイトルで行われてきたこのキャンペーン、例えば戸越銀座商店街振興組合(東京都)や青森市新町商店街振興組合(青森県)など、全国各地の商店街とコラボレーションし、地域の魅力を改めて発見すると同時に地域の商店での買い物の活性化を目的としたイベントを実施、街路やベンチをイルミネーションで彩るなどの演出を添えて、期間中は街全体を盛り上げてスモールビジネスを応援してきた。全国の加盟店でオリジナルエコバッグプレゼント企画を実施してきたのも、実は一連の取り組みの一環だ。

地域の商店を応援するために取られた手法

そんな「SHOP LOCAL」キャンペーンが2020年から「SHOP SMALL®」へと名前を変え、改称後の第一弾企画として展開されたのが、くだんの「30%キャッシュバック」キャンペーン。ユーザーは事前登録のうえ、対象店舗でアメリカン・エキスプレスのカードで決済すれば30%のキャッシュバック(カード1枚につき、キャッシュバックは5,000円まで)を得られる。対象店舗は飲食店から、ショッピング、サービス、エンターテインメントまで多岐にわたり、その数は全国で約10万店にものぼる。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて発出された緊急事態宣言による営業自粛期間中、街から灯が消えたのは周知の通り。宣言が解除された後も、たとえば東京都では9月に入るまで飲食店に対する営業時間の短縮を要請するなど、営業活動に制限が設けられた。街の商店に顧客が戻りきっていない時期ゆえに、キャッシュバックという手法が一定の効力を持つ。そんな考えのもとに今回の「SHOP SMALL」の具体的な内容を肉付けしていったという。

10月に入り政府が手動する“トラベル”や“イート”分野の“Go To”キャンペーンも拡大、街にはある程度人が戻ってきた感もある。それでもリモートワークを実施したり、社員同士の外食を制限するといった企業が少なからず存在し、以前と比較するとまだまだ人出は少なく、顧客も売上も減ったまま戻らないという地域の商店も少なくない。地域で頑張る「SHOP SMALL」の対象店舗の“今”を知りたい。そんな思いで、感染拡大以降の約半年の営業状況、その対応、モチベーションや目標の変化、そして「SHOP SMALL」キャンペーンの意義についても訊いてみた。

コロナ禍で気づいた顧客満足度の大切さ

東京・赤坂は場所がら政治家やメディア関係者が便利に使う飲食店が軒を連ねる繁華街。2018年に開業した「酒亭 赤坂かねさく」は、そうした業界の会合や接待にも用いられる古民家を改装した高級居酒屋だ。3~4月は売上げが9割減、6月以降は客足が戻ってきたものの、それでも前年の5割程度だという。

「酒亭 赤坂かねさく」オーナーの佐久間丈陽氏
オーナーの佐久間丈陽氏は焦る気持ちを抑え、冷静に解決策を実行するタイプの経営者だ。

「お客さまが減って気づかされたのは、第一に常連さんの大切さ。あんな状況下であっても、様子を見に店に顔を出してくれる。本当にありがたい話です」

品質の保持がむずかしいため、売りである日本酒の銘柄を減らしたり、鮮魚の扱いを取りやめ、代わりに自家製の発酵食品をつまみとして提供したり。あの手この手で危機を乗り切り、なんとか利益のベースを確保した。

「お客さまが少なくなったぶん、以前より親密な接客ができるようになって、顧客満足度は上がっているのかなとも思います。この時期に新規で来てくれて、リピートしていただいた方もいらっしゃいますし。これを機に初心に立ち戻って、酒場の魅力をお客さまに存分に味わっていただけるように努力と工夫を重ねたいですね」

「酒亭 赤坂かねさく」味噌味の牡蠣鍋
味噌味の牡蠣鍋。

「酒亭 赤坂かねさく」のどぐろ
高級魚「のどぐろ」。売りの日本酒は燗ですすめる。

常連客のありがたさを痛感

東京都内でも都心からはずれ、住宅街に近い街が地元住民によって支えられた一方で、接待や宴会需要によって潤っていた街や観光客や買い物客でにぎわっていた街の状況は案の定、芳しくなかった。動物園やアメ横などの観光スポットが多い上野界隈は、まさに後者にあたる。上野駅と並んでアメ横の入口としても機能する御徒町駅近くの「羊香味坊」も近隣の飲食店と同様に、3月以降は客足が一気に落ち込んだ。同店は店名のとおり羊肉に特化した中国東北地方料理の専門店。神田の「味坊」、御徒町の「老酒舗」などエッジの立った中国料理店が系列店として存在する。

「羊香味坊」名物ラム串の5本セット
「羊香味坊」の名物ラム串の5本セット。スパイスを効かせたオリジナルの「羊香トマトハイ」とともに。

同店では今回のコロナ禍とは関係なく2020年1月から通販をスタートし、看板商品である羊肉の串焼きなどを販売。同時に飲食店向けに羊肉やその加工品の卸しも行っている。こうした店以外の売上げが、図らずも売上減を補うかたちになったというから、不幸中の幸いとはこのことかもしれない。

「羊香味坊」多田俊美氏(左)多田正男氏(右)
「羊香味坊」を始めとしてグループ店舗を牽引する多田俊美氏(左)と多田正男氏(右)

「お客さまが少なくなっているあいだは、新しい料理を開発することに精を出すなどをして、従業員のモチベーションを保っていました」と話すのは運営会社の取締役、多田俊美氏。「ただ、そんなときでも当店、あるいはグループ店舗のファンの方が顔を見せてくださったり、通販を利用するなどして応援していただいたことに感謝の気持ちしかありません」と続ける。

一方で経理を担当する多田正男氏は「当社の場合は、多少なりとも貯えがあったのでなんとか乗り切ることができたというのが本当のところです」とシビアな現実を話してくれた。2019年9月から徐々に動かしてきた東京都足立区にある羊肉の加工場の稼働を本格化し、将来的には実店舗と同じくらいの売上げを通販や卸しで確保することを目標とする。

最強の防衛策は「店として進化を続けること」

東京・四谷のフランス料理の名店「北島亭」で、オーナーシェフの右腕として16年間にわたって活躍した大石義壱氏が2019年9月にオープンした「銀座 大石」。割烹のような白木のカウンターで、コース仕立てのフランス料理を味わえる新感覚のレストランだ。

「北島亭」コースのなかから「八寸」
コースのなかから「八寸」。パテアンクルート、野菜のテリーヌ、サンマのテリーヌなど。

幸いにして同店は、休業期間を除くと売上げが落ち込むことはなかった。大石氏の「めざすはディズニーランド」というお客を最大限楽しませるスタイルが強い印象を残し、それがクチコミやSNSによって拡散したことが大きい。リピート率はじつに9割にものぼるというから驚きだ。それでも、大石氏は危機感をおぼえたという。
「何が正解なのかがわからない、そしていつ何が起こっても不思議ではない。そんな社会環境で私たちが生活していることがわかりました。当店もいつどうなるかわからない。明日はわが身です。つねに全力を出して、そして進化をしていかなければとあらためて思いました」
北島亭時代は、お客の意見に耳を傾けることに注力した。だからこそ、いま消費者がレストランになにを求めているのかがわかる。危機を回避できたのは、そうした謙虚な姿勢の賜物といえるかもしれない。

大石義壱シェフの一挙手一投足を眺めながら楽しめるフランス料理のフルコースの新感覚の体験に予約が殺到している。

消費することで応援する。そのための入口。

状況は三者三様だが、当然というべきか「SHOP SMALL」に関しては、全員が非常に好意的である。「けっして客単価が低い店ではないので、30%というのは(顧客にとっての恩恵の幅が)非常に大きい」(佐久間氏)。「通販も行っていてネット決済に使えるクレジットカードとの親和性も高い」(多田正男氏)。「クレジットカードによる支払いがほとんどなので、(お客さまにとっては)とてもありがたいのでは?」(大石氏)などなど。

前述した通り、小規模飲食店を始めとした街の商店の大半はこの半年のあいだに窮地に陥っており、そうした状況のなかで消費者に飲食店の利用をうながすことができたこのキャンペーンの意義は少なくない。それに加えて大石氏は、「こうしたキャンペーンが、普段はレストランに足を運ばない方が来店されるきっかけになると業界の活性化にもつながる」と指摘する。

消費することが、何かの、そして誰かの応援になる――。そんな考え方は、2011年の東日本大震災以降私たちのデフォルトになりつつあった。今回のコロナ禍でそれがさらに顕在化したともいえよう。確かに、個人消費の金額は小さいものの、皆が同じ「応援する」という目的で消費活動できるプラットフォームがあれば、目的意識と消費の結果がまとまるという状況が生まれる。アメリカン・エキスプレスでは、今後もかたちを変えて「SHOP SMALL」キャンペーンを実施し、小規模店の支援を継続する予定だ。

キャッシュバック対象店舗一覧 ※キャンペーンは現在終了しています

TEXT:石田哲大 PHOTO:sono

LifExpress編集部

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