アメリカでキャッシュレスの飲食店増加中 現金はお断り?

April 24, 2019
アメリカでキャッシュレスの飲食店増加中 現金はお断り?
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現金での支払いは、紙幣でふくれた財布の持ち主にとっては最強だろう。しかし、現金払いにはもはや価値がないと考える飲食店が増えている。

例えば、Starbucks Corp.は、米シアトルにキャッシュレス店舗を一軒構えている。米国内に100店舗を展開する旬の食材のサラダ店Sweetgreenは、昨年キャッシュレス化した。カジュアルなファストフードのチェーン店、Chopt Creative Salad Co.は、1月に初のキャッシュレス店舗を試験的にオープンし、その翌年までにマンハッタンに6店舗を構える予定だ。

「消費者の要望に応えてきました。時間とともに、最も大事なことは(支払いの際の)スピードだとの声を聞いてきました」と、ChoptのCEOであるNick Marsh氏は語る。キャッシュレス化する以前は、食事が用意される速さにレジ係が追いつかず、「レジが渋滞を引き起こして」いた。

現金払いがビジネスの足かせとなるのは、レジ待ちの行列だけではない。全米で最低賃金が上昇する中、従業員が現金を数え、安全に保管し、輸送するという作業に賃金を支払うことは、一部の飲食店にとって受け入れることのできないコストとなりつつある。その一方、貪欲に便利さを求める消費者は、要求がすぐに満たされることに慣れており、注文したものをできるだけ速く手にしたいと考えている。小銭入れを探っていては、そのスピードが落ちてしまうのだ。

Choptでは、マンハッタンにある同サラダチェーンの西51番街店でキャッシュレスモデルを開始した。ここは、Marsh氏によればキャッシュレス開始以前、現金支払いが10%未満だった店舗である。効率が向上し、ニューヨーク市内でさらに2店舗が「すぐさま後に続き」キャッシュレス化した。

ワシントンDCにあるHill Country Barbecue Marketでは、現金で支払いを受けることが経済的に理にかなったものではなくなった。今年、同店舗で数件の窃盗があり、6万ドル近くを失った。CEOのMarc Glosserman氏は、キャッシュレスへの転換が必要だったと述べている。このチェーン店のマンハッタンとブルックリンの店舗では、現在も現金での支払いを受け入れている。

「(キャッシュレス化は)私たちには理にかなったことでした。現金での支払いが全体に占める割合はそれまで8%未満でした」と語る。現金の取り扱いに割かれる労働時間は、年間624時間にも上るという。 「何かを変えなければいけないのです。」

もちろん、現金決済を止めるということは、デジタル決済にかかるコストを背負うということでもある。モルガンスタンレーのアナリスト、James Faucette氏によれば、キャッシュレス化が売り上げの増加につながるかは不明だ。それでも、クレジットカードの普及で今後現金支払いが減るのであれば、キャッシュレス化に舵を切ることはビジネスに逆風とはならないだろう。

「ビジネスとして求めるのは、対価を支払ってもらうことです」と、Faucette氏は言う。「ビジネスによっては、その顧客層からして、現金決済にはもはや意味がないというところまで行くでしょう。」

現金での支払いを希望する客を拒否することは、不安の種にもなる。キャッシュレス化の反対派は、現金をないがしろにすることは、銀行口座を持たない人たちへの差別だと主張する。こうした人たちは、クレジットカードもデビットカードも持っていないため、一部の飲食店では原則としてサービスを拒否されている。ワシントンDCの自治体議員であるDavid Grosso氏は、キャッシュレス化を進める風潮に終止符を打とうと「2018年キャッシュレス小売業禁止法」を打ち出した。

「私たちの主要なお客様で、現金を利用されているのは多数派ではないようです」

年齢の高い顧客は、現金を好む傾向がある。CreditCards.comが9月に発表した、ポイントの貯まるクレジットカードの利用者を対象にした調査によれば、ベビーブーム世代の58%が、10ドル以下の少額の支払いには現金を利用する。一方、18歳から27歳の購買者では、額の少ない買い物に現金を利用するのは4分の1未満だ。2016年の米連邦準備制度(Fed)の調査によれば、全体としては、最もよく利用される支払い方法はいまだに現金である。

しかし、キャッシュレス化を進める企業にとっては、現金の扱いを止めることの利点が、その欠点を上回っているようだ。クレジットカードをスワイプして立ち去るという、より素早いテンポの支払い方法を選ぶ顧客が増えていることが背景にある。

「私たちの主要なお客様で、現金を利用されているのは多数派ではないようです」と、Glosserman氏は言う。「もし主要なお客様が現金を利用されているなら、ここまで速くキャッシュレスに切り替えたかどうか分かりません。私たちのビジネスにとっては、こうするべきだったのです。」

Intelligentsia Coffee Inc. の小売り担当バイスプレジデントのLori Haughey氏は、今夏、ボストンに初のキャッシュレスコーヒーショップを立ち上げるにあたり、支払いプロセスを合理化することは不可欠だったと語る。

Haughey氏はレジでの支払いプロセスについて「立ち止まって、おつりを受け取るという余分なやり取りがなくなれば、20秒、時間を短縮できます」と言う。「そこここで15秒、20秒を稼ぐことができれば、積み重なって大きな違いとなります。」

キャッシュレス化のさらなる利点は、手持ち型のPOS端末を導入できることだった。この端末があれば、レジについて客が来るのを待つのではなく、レジ係の方から、並んでいる客のところに行くことができる。

「列が長すぎるといって立ち去りそうなお客様がいたら、この手持ち型端末を持っていき、すぐに支払いを済ませられます。」この販売方法について、Haughey氏はこう語る。「最近は、皆さんお急ぎなのです。」

この記事はBloombergのGerald Porter Jr.が執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。

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