AdobeのAIがバーチャル試着を進化させる

February 19, 2020
AdobeのAIがバーチャル試着を進化させる
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ここ10年でコスメ・アパレル・アクセサリーなどをコンピューター上でバーチャルに試着できるプラットフォームが爆発的な人気となったが、この理由は比較的容易に理解できるだろう。決済サービスKlarnaの調査でも、消費者の29%が商品を購入する前にオンラインで閲覧して可能な限りの情報を収集するという結果が出ている。また49%は実際に購入する前に自分の体型に合うかどうか確認できるサイズ測定のソリューションサービスに関心を持っていると答えている。

この調査結果を重視したAdobe・インド工科大学・スタンフォード大学の合同研究チームは、アパレルサイト向けのバーチャル試着の開発に取り組んでいる。SieveNetと名付けられたこの新開発機能は、画質を損なうことなくコンピューター上のモデルに皺や折り目といった着用した際の変化をも含めた洋服の画像をマッピングすることができるという。

SieveNetの目的は洋服とモデルの画像双方を合成して、その洋服を着たモデルの画像を生成すること。もちろんモデルの体型やポーズ、その他のディテールも忠実に再現する。この複雑な画像合成を実現するためにモデルの体型とポーズに合わせて洋服の画像を処理してからモデルの体に貼り付けるなど複数の作業を段階的に行っているという。

 

AI try-on
SieveNetの概要

SieveNet開発に関わる論文の著者によると、画像を加工するには洋服の画像だけでなくモデルの隠れて見えない部分(例えば長い髪や後ろに組んでいる腕)についても、形やポーズの違いを計算して変形する必要があるという。SieveNetではAIが試着した際の大小さまざまな画像の変化を予測・修正してレンダリングするのと同時に、その画像をモデルの体に計算して合成する作業を行っている。

Nvidia 1080Tiグラフィックスカード4枚を搭載したメモリ容量16GBのPCを使った実験では、正面を向いた女性モデルとトップスの画像約1万9,000枚からなるデータセットを用いてSieveNetの実証試験が行われた。

定性試験では、体が隠れている部分・ポーズの変化・画像の歪みに対応し、全体的な画像クオリティでは基準値以上の結果が出た。さらに、Fréchet Inception Distance(FID)を含むさまざまなパラメーターによる定量評価の結果も最高峰の技術水準を達成したという。FIDとは人工知能の画像認識モデルを用いて、目標分布と評価対象システム(この場合はSieveNet)双方で比較した際の画像の類似性を調べるためのものである。

この種のテクノロジーはSieveNetが最初ではない。最近Amazonのモバイルアプリで利用できるようになったL’OréalのModiFaceは、自分の動画や写真にさまざまな色の口紅を塗ってみることができる。またAIを用いてファッション小売業のオートメーション化を推進するVue.aiは、洋服の特徴を自動学習すると同時にモデルのポーズや肌の色を本物そっくりに再現することで、従来の約5倍の速さでファッション撮影を完了できる能力を備えている。またGucciNikeもシューズをバーチャルで試着するアプリを提供している。

しかし開発者たちはSeiveNetのようなシステムの方がより容易に既存アプリやウェブサイトに組み込むことができるという。「特にファッションのオンライン通販にとって、自分専用にカスタマイズした設定で視覚化できるバーチャル試着は、実店舗でのショッピングの代替となる点で大きな意味を持ちます。バーチャル試着に使われている最先端技術を用いた方法は顕著に進歩しているのです」と述べる。

この記事はVentureBeatKyle Wiggersが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークによってライセンスされています。ライセンスに関する質問については、legal@newscred.comまでお問い合わせください。

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