マイクロバッグの人気から見る、キャッシュレス社会の今

August 28, 2019
マイクロバッグの人気から見る、キャッシュレス社会の今
Scroll Down

現金で支払いを行わないことでお金をつかっているという意識が薄れ、結果的に消費額が増えるという考え方は「キャッシュレス効果」と呼ばれてきた。だがキャッシュレス経済の到来が現実味を帯び、カード決済が現金決済に急速に取って代わりつつある中、このいわゆるキャッシュレス効果は、我々の消費行動に影響を与えるだけでなく、お金の持ち歩き方までも変えつつある。

その代表例がマイクロバッグだ。マイクロバッグはFendiやJacquemusからTopshop、Zaraまで、多くのブランドで2018年最大のヒットとなったアイテムの一つで、スマートフォン、キーホルダー、名刺入れを入れれば一杯になってしまうほどの小さなサイズのバッグを指す。このトレンドは今やさまざまなタイプの財布やポケットにまで及んでいる。百貨店Selfridgesでは、小銭入れのついていないカードホルダーや財布を販売しており、今シーズン人気をさらっているのは「小型化したカードホルダー」だという。

マイクロバックの人気の背景にはキャッシュレス化と利便性がある。「キャッシュレス生活をより便利にしてくれるものへの人気が、目に見えて高まっています。その典型がカードホルダーです」とSelfridgesのアクセサリーバイヤーは言う。「性別に関わらずカードホルダーの需要が高まっており、従来型の財布からシフトが起こっています」

Commes des GarconsやMarc Jacobsでは、カラフルなカードホルダーが今シーズンのヒット商品となっており、この人気はあらゆるブランドに広がっている。昨年の人気アイテムがPradaのペーパークリップ(紙幣を持ち歩くためのPradaのロゴ付きアイテム)だったとすれば、今シーズンの人気アイテムはByredoのカードホルダーだ。このヒップなスウェーデンブランドは、ハイエンドなストリートブランドOff Whiteと近年コラボを行っており、つい先日ロンドンに旗艦店をオープンした。その創業者のBen Gorhamによれば、同ブランドの小銭入れのないカードホルダーは、キャッシュレス経済化が進むスウェーデンで最もよく売れたアイテムの一つだという。このカードホルダーはここ英国でも「とてもよく」売れており、そのうち2タイプは現在品切れとなっている。

UK Financeの予想によれば、決済で現金が使われる割合は2026年にはわずか21%となる見込みだ。1ペニー硬貨や2ペンス硬貨が段階的に廃止されるという噂は極論だとしても、(Guardianの)マネー専門家によれば、従来の財布の類は今後すっかり姿を消し、スマホカバーに取って代わられる可能性がある。オランダのMujjoが最近出したiPhone用ウォレットケースは、同社によれば飛ぶように売れている。スウェーデン同様、オランダは事実上、現金不要の国となっている。

キャッシュレス化が進むことには別の作用もある。「キャッシュレス化が進むと、女性はますます自由になったと感じるようになり、その結果ファッション小物はどんどん小さくなります。実際ストラップ付き財布がその代表例と言っていいでしょう」と、小売情報サービスとブランドコンサルティングを専門とするFuture Laboratoryのトレンド予測担当副エディター、Kathryn Bishop氏は語る。キャッシュレス化がポケットのようなものにまで影響を及ぼすかどうかについては諸説ある、とBishop氏は語る。男性についてはそれが当てはまるかもしれないが、女性の場合はむしろ逆で、ポケットが利用できるようになることがキャッシュレス化の進展を速めつつあるという。

「男性の服にポケットが付いていたのは、伝統的にそれが鍵や現金などを入れておける『持ち物入れ』だったからです。しかし今では女性も機能的なポケットの付いた仕事用のジャケットを着るようになり、デビットカードやスマートフォンをポケットに入れて持ち歩いています」

MM.Lafleurのようなブランドは、「女性が日常の必需品を収納することを目的」とした大きめのポケット付きの洋服を作るようになった。Fendiの2019年春シーズンのショーでは、ポケットの数が大幅に増え、中には鍵用や電話用といった専用のポケットもあった。クリエイティブディレクターのSilvia Venturini Fendi氏は次のように語っている。「もしあなたが複数の仕事をこなさなければならないのなら、服もそうあるべきです」

女性の洋服にポケットが多用されるようになるだろうという予測と共に、Bishop氏はキャッシュカードをまったく持ち歩かなくなる人が現れるだろうとも予測する。「Biohaxのような会社はトラベルカードの情報を登録しておける皮膚埋込型チップを提供しており、それを使えば駅の改札で手をタップすればいいだけになります。同様にキャッシュカード情報が登録されたチップが今後登場する可能性だってあるのです」

いずれにせよ、経済の仕組みが変わることでもたらされるファッション小物の変容は、ファッション産業にとってはプラスとなる。その理由はキャッシュレス化で単純に消費額が増えるというだけではない。ファッション小物、特にバッグは、洋服に比べて利益率が高く、一般的に最大の稼ぎ頭だ。絶対買うべき新作アイテムを手頃な価格で発売 ーー たとえばCommes des Garconsのブレザーは1,500ポンド(約1,800ドル)以上するのに、同ブランドのカードホルダーは70ポンド(約85ドル)だ ーー すれば、そのブランドを買う予算がない人にも手が届くようになる。

この記事はThe GuardianのMorwenna Ferrierが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。

pick up

new article

View All

当サイトからのお申し込みで
合計20,000ポイント*
獲得可能

詳しくはこちら
  • ※年会費31,900円(税込) 家族カード1枚目無料、
    2枚目以降13,200円(税込)
  • ※カードのお申し込みに関する詳細はこちらでご確認ください。
  • *アメリカン・エキスプレスのポイント・プログラム
    "メンバーシップ・リワード"のポイント