現金主義の終焉? キャッシュレス版モノポリーが登場

November 28, 2019
現金主義の終焉? キャッシュレス版モノポリーが登場
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世界の多くの人々にとって名作ボードゲームのモノポリーは、生まれて初めて“資本主義”といった概念や“意地の悪い家主”に遭遇し、その結果としてお金の賢い使い方を学ぶ洗礼の機会として記憶されていることだろう。

現代でもその“洗礼”が重要なことに変わりはないが、これからキャッシュレス全盛時代を迎える新世代の子どもたちは「現金とは果たしてどのようなものか?」とアタマを傾げる日が来るかもしれない。

そこでモノポリーの発売元である米おもちゃメーカーHasbroは、キャッシュレス版モノポリー・ボイス・バンキングをリリースした。このゲーム内での金銭や資産のやり取りは音声認識機能を備えたAIが全て管理するキャッシュレス社会が想定されているため、目の前で札束が積み重なっていくというような体験は過去の遺物となるのだ。

社会のキャッシュレス化が進み、今から10年ほど前までは6割を占めたイギリスでの現金決済の割合も、現在では3割にまで減少している。さらに今後15年間に全体の1割まで低減するとさえ予測されている。今やホームレスの自立支援のための雑誌「Big Issue」もクレジットカードで購入可能だし、また新アプリGiving Streetsを使えば、路上生活する人たちにスマホで寄付をすることもできる。さらにはロンドンの大道芸人や、エジンバラのストリートパフォーマーたちもキャッシュレスのタッチ決済でチップをもらっているといった例もある。

同様に、ギャラリーや美術館も同様の方法で寄付を募っている。教会もまた然り。公衆トイレを使う時など、少額の支払いにもキャッシュレス決済が可能だし、カード払いのみのカフェやパブも増えてきている。またロンドンでは、現金でバスのチケットを購入できなくなって久しい。

多くの人たちにとってキャッシュレス化は便利なことだが、疎外されてしまう人が存在するのも事実だ。最近行われたAccess to Cash review (現金の必要性について検証するイギリスの独立団体)の調査結果によると、全人口の17%がキャッシュレス社会への対応に苦慮するだろうと予測している。

貧しい人ほど現金で支払うことが多い傾向にあるからだ。銀行口座を持っていない、または銀行口座を作るのに必要な身分証明書を持っていない人もいる。また貧困層ではインターネットやデジタルデバイスを常に利用できる環境にない人も多い。

キャッシュレス社会では、スマートデバイスの浸透によって単純労働者が職を失う一方で、銀行や決済会社が必要以上に多額の利益を得たり、国家による監視やデータプライバシーについての懸念など負の側面を指摘する識者も少なくない。最近の例でいえば、Facebookの仮想通貨開発のニュースに不安を全く感じなかった人などいるのだろうか。

ボードゲームが子どもたちにキャッシュレス社会の手ほどきをしているとすれば、同じような例はほかにもある。その一例は、タッチ決済カードで子どもたちがお小遣いの管理をするアプリだ。また給食代や交通費をキャッシュレスで決済するシステムを導入している学校もある。

そのような状況を鑑みると、今後は5ポンド札(約650円)を挟んだ誕生日カードをもらっても全く嬉しそうじゃない子どもがいたからといって、大人たちはがっかりしないのが賢明だ。なぜなら彼らはすでにキャッシュレスの世界に住んでいるのだから。

この記事はThe GuardianのEmine Sanerが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。

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