お賽銭をキャッシュレスで| 見えない空間に投げ入れる、これからのお賽銭

September 26, 2019
お賽銭をキャッシュレスで| 見えない空間に投げ入れる、これからのお賽銭
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世界的にキャッシュレス化が加速する一方、諸外国に対して後れを取っている日本。昨今、そんな日本もキャッシュレス化実現に向けた取り組みをさまざまなシーンで見かけるが、日本特有の文化にはどう対応していくのかが気になるところ。というのも、古くから伝わる日本の文化は、現金と深い関わりを持ってきた。例えば、お年玉やご祝儀はかならず現金。キャッシュレス決済が浸透したのち、こうした日本の文化はどのような変貌を遂げていくのか。今回は、日本の現金文化を象徴するお賽銭にスポットを当て、積極的にキャッシュレス化に取り組む「白水山 醫王院 平等寺」を取材。住職である谷口真梁氏に、電子マネーによるキャッシュレス決済を導入した経緯を問うとともに今後の展望を伺った。

山門から本堂までの参道 山門から本堂までの参道。山門から本堂の薬師如来の御手まで五色の綱で結ばれている

白水の井戸「弘法の霊水」 万病に効く白水の井戸「弘法の霊水」。弘法大師が錫杖で掘り当てたとされる

本尊薬師如来 本堂の改修完了に伴い、これまで秘仏としていた本尊薬師如来を2016年1月より一般公開

空海と歩く四国遍路に、近づくキャッシュレスの足音

修行の地として知られる四国。なかでも、八十八ヶ所霊場を周る四国遍路は世界でも類を見ない修行とされる。弘法大師空海の足跡を辿る旅として修行僧の修行の一環として始まったこのお遍路は、今では開運厄除・縁結び祈願をはじめ、 霊場巡りが観光目的としても親しまれている。四国4県を回る道のりは全長1400km以上、歩き遍路の場合だと40〜50日かかると言われている長旅なのだが、日本の歴史・伝統文化を学ぼうとここ四国に世界中の観光客が訪れる。

徳島県阿南市にある「白水山 醫王院 平等寺(以下、平等寺)」もまた、四国遍路第二十二番札所として毎年10万人以上の巡礼者が足を運ぶ由緒のある寺院。空海によって弘仁5年(814年)に建立され、万病に効くとされる白水の井戸「弘法の霊水」があることでも有名だ。

威厳に満ちた仁王像を横目に山門をくぐり、目の前に広がる五色幕に沿って厄除坂を登ると平等寺の本堂が見えてくる。内陣にはきらびやかな本尊薬師如来像、外陣には見事な天井絵。しかし、平等寺には通常お寺では見慣れないタブレット端末が置かれていた。

キャッシュレスの決済方法を説明する平等寺住職の谷口氏 キャッシュレスの決済方法を説明する平等寺の住職 谷口氏。タブレットは、香炉やロウソクが並ぶ前机に設置

お賽銭をキャッシュレスに。スマホ決済に挑戦する平等寺の姿

お賽銭を投げ入れ、胸の前で合掌。そして一礼。お寺に来れば、小さな子どもも当たり前のようにこの作法を行う。「ご縁があるように」と、小銭ケースから5円玉を取り出す光景もお賽銭ではお馴染みだ。しかし、平等寺の新たな取り組みをきっかけにお賽銭の旧習が変わろうとしている。

「ここ10年で、間違いなく日本も電子マネーを中心としたキャッシュレス化が進んでいくでしょう」と口を開いたのは、平等寺の住職 谷口真梁氏。「どんな形であれ、今後キャッシュレス化が普及するのは確か。そうなると現金を持つ人は限りなく減ってきますから、そんな人たちにお寺や神社にだけ現金を持ってきてと言うのはさすがに無理がありますよね。ですので、今後現金を持たない人が来てもお賽銭ができるように電子マネーによるスマホ決済が可能なタブレットを置いているんです」と話を続けた。

谷口氏が語るように、今後10年で日本のキャッシュレス決済比率は4割になると言われている。この流れは、古くから伝わる日本の文化“お賽銭”にも押し寄せる。

タブレットにお賽銭の金額を打ち込む様子タブレットにお賽銭の金額を打ち込む

QRコードを読み取りお賽銭の支払いをする様子Amazon Payなど決済方法を選択してQRコードを読み取ればお賽銭の支払いが完了

奉納用のロウソクロウソクや線香をお供えする際もキャッシュレス決済が可能

平等寺が電子マネーによるキャッシュレスを採用したのは、昨年の末。お賽銭の額を打ち込み、Amazon Payをはじめとした決済方法(※)からご使用されているものを選択するとタブレット上にQRコードが表示され、スマホで読み込めば決済処理ができるというものだ。これからのお賽銭は、目に見えない空間へと投げ入れられる。

「キャッシュレスを導入したのは、今後のことを見据えた実験的な部分が大きくあるんです」と谷口氏は導入の経緯を話し始めた。「他より先に導入して、お寺と今のキャッシュレスの仕組みで合わないところをまず浮き彫りにしたいなと。合わないところがあれば、開発者に相談して解決していただきたいなと思います。例えば、スマホをかざしたとき、お賽銭箱の中に落ちていく小銭の音が鳴るような。そうすれば、キャッシュレスが普及したときに違和感なく全国のお寺にも広まっていくのかもしれない」と、2021年頃までは今の決済方法で様子を見るようだ。

※現在の決済方法
Amazon Pay/WeChat Pay/pring/NETS Pay/DBS PayLar! (2019年9月取材時)

キャッシュレス決済導入の経緯を語る谷口氏住職 谷口真梁氏

お寺の文化に合うようなキャッシュレス社会が訪れることを願って

お賽銭のキャッシュレス化は意外な反応を見せていると谷口氏。「おじいちゃん世代の方はあんまり興味ないみたいで…。50代前後になると徐々に拒否反応が出だして、20〜30代は賛否が真っ二つに分かれます。このような新しいものがあってもいいじゃないかという声と、これまで通り現金でお賽銭したいという反対の声もあります」。一方「私はどちらかというと投げ入れたい派なんですけどね」と本音もこぼした。

キャッシュレス化が進むと、地方であればあるほど、あるタイミングで一気にそのシステムが導入されるだろう。谷口氏も同じ考えを持つ。「多分、キャッシュレスが普及する5〜10年後ぐらいに我々が導入すると、もう完全に普通の店がやっているのと同じようなシステムが組み込まれることになるので、もう少しお寺の文化に合うような、寄付の文化に恥じないシステムを作って欲しいんです。そういうメッセージを少しずつ発信できたらな」と、今後の対応に期待を寄せている。

そう遠くない将来、お賽銭もキャッシュレスでの支払いが当たり前になる。古くからの伝統に新しいテクノロジーが導入されることで“目新しさ”への関心と馴染みがないゆえの“違和感”が正直まだあるが、日本の文化に興味を持ち、訪れる外国人に向けても適切なサービスとして進化していく様は「おもてなしの日本」として、誇りに思えるのではないだろうか。


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LifExpress編集部

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