現金決済とキャッシュレス決済の今後

June 03, 2019
現金決済とキャッシュレス決済の今後
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とりわけ現代の都会に住む若者にとって、現金を持ち歩く機会はますます減りつつある。30ポンド(約4,210円)未満の買い物であれば、ミレニアル世代はカードかスマートフォンをタップするだけでどんなものでも購入することができ、小銭や紙幣は実質的に無用の長物となっている。

コンタクトレス決済が簡単になり、若くてテクノロジー慣れした世代の間で現金に対するカルチャーシフトが起こっている。この世代は小銭や紙幣を持たずに何日も出歩くことに抵抗がなく、むしろスマートフォンで支払うことを好む。カードで支払うよりもスマートフォンで支払う方が多いぐらいだ。一方で年齢が上の世代になると、小銭や紙幣の方が安全で、現金払いという選択肢がある方が好ましいと考えている。

オーストリアでは、950万枚発行されているデビットカード(オーストリア国民1人につき1枚のデビットカードが発行されている計算)のうち90%にコンタクトレス決済機能が備わっており、この機能を使える機会があるのに利用しない人はほとんどいない。最新の統計では、近距離無線通信(NFC)を使用したコンタクトレス決済は、オーストリア国内での決済の31.7%を占める。

もちろん、この新たな決済方式を採り入れるか採り入れないかについては国により傾向が大きく分かれる。スイスでは90%のPOSレジがコンタクトレス決済に対応しており、その普及率の高さを物語っている。だが東欧諸国では今でも現金が尊重されており、キャッシュレス決済が普及するには至っていない。

だが、国によってキャッシュレス決済に対する受け入れ度合いが異なるからといって、大手チェーンや小売店がキャッシュレス決済技術の導入を見送るわけではない。大多数はレジをコンタクトレス決済対応のものに更新し、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)の向上や決済時間の短縮のための投資を行っている。

Dun & Bradstreetが行った最新の調査によれば、クレジットカードを使う際は現金払いのときに比べ、支出額が平均して12~18%多くなる。コンタクトレス決済機能付きカードを使う場合は、支出額がさらに増える。これは現金の受け渡しが必要なく、支払いが比較的容易なことによるものだ。

オンラインで簡単にモノやサービスを購入することができる時代となったこともあり、決済時間の短縮とコンタクトレス決済の導入に対する消費者のニーズが高まる中、実店舗を構える小売店でキャッシュレス決済の新技術を導入しない店はおそらく取り残されるだろう。かつてその店を愛用してくれていたとしても、無駄に時間を使いたくないと考え、手軽さを何より重視する顧客からは顧みられなくなってしまうからだ。

ここ数年で消費者の期待値は着実に高まっている。モノやサービスの購入先を容易に変えるという傾向も強まっている。その結果、すべての販売チャネルにおいて顧客満足度を高め顧客を維持するということが、小売店がリテール決済関連の投資を行う際に重視されている。

電子決済の増加は何も小売店や旅行、オンラインショップに限った話ではない。キャッシュレスを謳うイベントは、スポーツ競技や音楽フェスティバル、屋台イベントや展示会などさまざまな分野に広がっている。

顧客にスムーズで効率的なサービスを提供することの重要性をイベントの主催者や出展者は認識し始めている。そのための重要となる手段の1つが、キャッシュレス決済機能を備えることだ。一般的にキャッシュレス決済の方が現金払いよりも時間がかからず、そのため長い列を作らずに済む。さらに、現金を扱ったり保管したりするために必要だった人員やセキュリティが不要になる。

イベント参加者にとっては、クレジットカードやスマートフォン、場合によってはプリペイドブレスレットやアームバンドで支払いが可能になれば、混雑の中で現金をなくすようなことは減るだろう。私たちはイベント会場でのキャッシュレス化への移行を目の当たりにした。ゼロベースからのキャッシュレス決済化をSIX Payment Servicesが支援したイベントの数は、この3年で3倍に増えている。

だが、電子決済化が進んでいるとはいえ、まったくのキャッシュレス社会が登場するとは私は思わない。誰にも見張られない支払いへのニーズは依然として存在している。その一例がレストランのチップで、よいサービスを提供したウェイターはその褒美としてチップを得ることができ、それをボスに取り上げられることもない。また子供にお小遣いをあげたり現金を贈ったりすることもあるだろう。

さらに人というのは安心感を欲しがるもので、その点において紙幣や硬貨は何物にも代えがたい。英国などの国ではキャッシュレス決済がスムーズに普及し、今では50%の取引がキャッシュレス決済だが、これを65%にするにはあと10年はかかるだろうと私は考えている。

職業人生の大半をATMネットワークの構築維持や決済カードプログラムに捧げてきた私自身、完全なキャッシュレス社会が到来することは決してないだろうと確信している。

そのため、SIX Payment Servicesでは、銀行のATM保有コスト削減のためのATM資産自動化支援や、QRコードを利用した預金引き出し機能導入の支援を行っている。

決済手段が変化し、その中心的存在が電子決済であることは否定できないが、テクノロジーの進歩の波はATMネットワークにも及んでおり、消費者が今も紙幣を必要としていることも明らかだ。

私個人はキャッシュレス決済、特にスマホ決済の大ファンだが、現金をはじめクレジットカードやその他の形態のキャッシュレス決済も、今後何年にもわたり共存していくだろう。繁盛したいのなら、小売店はどんな支払い手段でも受け付けられるようにする必要がある。消費者と現金は今でも王様であり、それは当面変わらないだろうから。— SIX Payment Services

 

ATMmarketplace.comによるこの記事は、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。

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