巨匠の節目に沸く2019年のヨーロッパ、美術イベント10選

March 15, 2019
巨匠の節目に沸く2019年のヨーロッパ、美術イベント10選
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ドイツのバウハウス100周年からレオナルド・ダ・ヴィンチ没後500周年まで、ヨーロッパでは今年、節目を祝う美術イベントや展示会が数多く開催される。

 

レンブラント350年
オランダ

今年はレンブラント・ファン・レインの没後350年である。年間を通じ、オランダの9都市で、レンブラントとオランダ絵画の黄金期にスポットを当てたイベントが計画されている(イベントのリストはholland.comに掲載)。アムステルダムでは、アムステルダム国立美術館で同美術館の所蔵絵画22点、デッサン60点、版画300点がすべて展示される(2月15日~6月10日)。1つの展覧会で、これだけの数のレンブラントの作品を見られるのは、史上初である。今年の後半には、レンブラントとベラスケスの展覧会がある(11月11日~1月19日)。また、レンブラントの家では3つの展覧会があり、City Archivesではレンブラントの個人史を伝える(4月7日まで)。ハーグでは、マウリッツハイス美術館でレンブラントによる18点の絵画を展示している(9月15日まで)。ライデンのラーケンハル市立博物館では、初期の作品の展示がある(11月3日~2020年2月9日、lakenhal.nl)。またフリースランド州立美術館では、レンブラントの妻、サスキアに捧げるこぢんまりとした展覧会がある(3月7日まで)。ドイツとイギリスでも、展覧会が開催される。
詳細についてはcodart.nlに掲載されている

 

レオナルド・ダ・ヴィンチ500年
イタリア、フランス、イギリス

ヨーロッパ中の美術館やギャラリーが、競うようにレオナルド・ダ・ヴィンチ没後500年記念展を開催する。多くのイベントが開催されるのはもちろんイタリアで、ミラノのアンブロジアーナ絵画館(3月17日まで)、フィレンツェのガリレオ博物館(4月から)、フィレンツェ近郊にある生誕の地、ヴィンチのレオナルド・ダ・ヴィンチ博物館(4月~6月)などでの展覧会がある。

イギリスでも、この記念すべき年に展覧会が12都市で同時開催され(2月1日~5月6日、rct.uk)、それぞれ、レオナルド・ダ・ヴィンチのデッサン550点が展示される。それに続き、そのすべての作品を集めた展覧会が、夏にはロンドンのクイーンズギャラリーで、冬にかけてはエジンバラのクイーンズギャラリーでそれぞれ開催される。しかし、注目を集めて大ヒットになるであろう展覧会は、パリのルーブル美術館で秋に開催される。レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画17点を、可能な限り集めて展示しようとするものである。

 

バウハウス100年

ドイツ

ドイツでは、ヴァルター・グロピウスが1919年に設立した革命的な美術学校、バウハウスの100周年を祝っている。開幕イベントはすでにベルリン芸術アカデミーで開催されており、コンサート、演劇、バーチャルリアリティのインスタレーションといったプログラムが組まれている(1月24日木曜日まで)。しかしドイツを訪れたなら、今年は、首都を離れて自分なりのドライブ旅に出かけてほしい。Grand Tour of Modernismは、ドイツ各地の100か所にあるバウハウスとモダニズムの建築を結んでいる。また、新たに3つのバウハウス美術館がヴァイマル(4月開館)、デッサウおよびベルリン(いずれも9月開館予定)に開館し、それぞれ大規模な記念展覧会を開催予定だ。
bauhaus100.com

 

プラド美術館200年

スペイン

プラド美術館は1819年11月19日、マドリッドで開館した。200年の節目として、特別展が次々と開催される。たとえば、エルグレコやムリーリョなどの至宝の作品でその歴史を振り返る展覧会がある(3月10日まで)。また、バルトロメ・ベルメホ、ベラスケス、ジャコメッティなどの芸術家の、個別の展覧会も開催される。On Tour Through Spainの取り組みでは、スペイン国内の地方の美術館に1カ月間貸し出されるプラド美術館所蔵のコレクションを、一度に見ることができる。たとえば、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの「A Blind Hurdy-Gurdy Player」が、グランカナリア島のAtlantic Centre of Modern Art(6月4日~30日)とメノルカ博物館(7月8日~8月4日)で展示される。休暇を過ごそうと島に来たら、見に行く価値がある。
museodelprado.es

 

クールベ200年

フランス

フランス東部、ルー川のほとりにある絵画のような町オルナンは、最も有名な出身者である写実主義の画家、ギュスターブ・クールベの生誕200年を祝っている。「クールベのふるさと」で訪れるべき場所は、複数ある。クールベ美術館と画家のアトリエは、どちらもオルナンにある。近くのフラジェにはクールベ家の農場がある。ルー川の源泉はクールベが何度も描いた場所であり、ルー渓谷には8つのウォーキングコースとサイクリングコースがある。200周年を記念するイベントには、クールベのデッサンの展示(2月15日~4月29日)や「クールベとフェルディナント・ホドラー」展(10月31日~2020年1月5日)、中国系フランス人の画家、ヤン・ペイ=ミンのクールベのアトリエへの招聘(3月から)、クールベを記念する2つの自転車レース(8月17日、18日)がある。
全リストはmusee-courbet.doubs.frに掲載されている

 

ジョン・ラスキン200年

イングランド

今年は、美術批評家、作家、社会改革者であったジョン・ラスキンの生誕200年でもある。ラスキンの住まいであったカンブリア州のブラントウッドでは、年間を通じて展覧会が開催される。そのテーマは、衣服から地質学への興味、日本に残した遺産にまでわたる。ラスキンが擁護した画家、JMWターナーの展覧会もある(2月6日~11月11日、brantwood.org.uk)。いたるところで開かれる展覧会に、ラスキンが関係している。ロンドンのテンプルプレイス2番地(1月26日~4月22日)とシェフィールドのミレニアムギャラリー(5月29日~9月15日)で開催される「The Power of Seeing」や、ヨークアートギャラリー(3月29日~6月23日)の「Ruskin, Turner & the Storm Cloud」がある。ラスキンの誕生日である2月8日には、オックスフォード大学自然史博物館で行われるラスキンの樹木への強い関心についての公開講座(eventbrite.co.ukで登録できる)や、ロンドンのロイヤルアカデミーで行われる朗読と音楽の夕べがある。
全リストはruskinto-day.orgに掲載されている

 

ブリューゲル450年

ベルギー

2019年9月9日、フランドルの巨匠、ピーテル・ブリューゲル(父)の没後450年を迎える。ウィーンで開催された回顧展は先頃終了したが、ベルギーではこの画家の記念イベントが数多く予定されている。ブリュッセルでは、シャルル・ド・ロレーヌ宮でベルギー王立図書館が所蔵するブリューゲルの絵画の全コレクションが展示されている(10月15日~2020年2月16日)。中世の城門であるハルの門では、16世紀にタイムスリップするバーチャルツアー(2019年6月22日~2020年6月21日)や、ブリューゲルをテーマにした4つのガイドツアーがある。アントワープのマイヤーファンデンベルグ美術館を訪れれば、修復が完成したばかりの「悪女フリート」(Mad Megとして知られる)を見ることができる。またヘンクにある、ブリューゲルから着想を得た野外博物館であるボクレイクでは、ファミリー向けのショー「Bravo Mr Bruegel」が1日2回上演される(7月11日~9月1日)。
全リストはvisitflanders.comに掲載されている

 

リヒテンシュタイン300年

今年リヒテンシュタインを訪れる人には、ぜひ300回目の誕生日を祝ってほしい。公国の創建は1719年1月23日のこと。リヒテンシュタイン国立博物館で開催の展覧会では、この出来事を再体験できる(2月27日~2020年1月23日)。リヒテンシュタイン美術館では、世界最大規模の個人コレクションである、リヒテンシュタイン侯爵家コレクションが開催される(9月19日~2020年1月、kunstmuseum.li)。侯爵家コレクションは、ウィーンのアルベルティーナ美術館でも見ることができる(2月16日~6月10日)。イベントは、水曜日開催の公開誕生日パーティーで幕を開け、祝日である8月15日に首都ファドゥーツの中心部で行われる街頭パーティーで最高潮を迎える。
全リストは300.liに掲載されている

 

ルノワール100年

フランス

オーギュスト・ルノワールは100年前の12月に死去した。Eau et Lumière Associationは、ヨーロッパの印象派の画家12名に創作意欲を吹き込んだ場所を結ぶ、12の「Impressionisms Routes」を策定したが、2019年はルノワールの年であると宣言した。同協会は、絵画を愛するより多くの人たちに、Renoir Routeの魅力を知ってほしいと考えている。パリを訪れたなら、かつてルノワールが暮らしたモンマルトル美術館と「ルノワールの庭」に行ってみてはどうだろうか。クロワシィ=シュル=セーヌ近くのグルヌイエール美術館もいい。ここは、ルノワールが河畔の風景を描いた場所である。

シャンパーニュ地方では、エソワ村にあるルノワールの別荘と庭園が美術館となっており、ルノワールの生活と仕事についての常設展示を行っている。ここにはアトリエと数点の彫刻、それに多くの絵画のアイデアを得た庭園もある。

ルノワールは、人生最後の12年間をフレンチリビエラのカーニュ=シュル=メールで過ごした。その家は現在、すばらしいルノワール美術館となっており、一家が使用した家具や、絵画14点、彫刻30点が収められている。オリーブの木に囲まれ、見下ろせばカップダンティーブの眺めが広がる場所である。
詳細についてはimpressionismsroutes.comに掲載されている

 

月面着陸50年

イギリス

7月20日、初めて人類が月面に降り立ってから50年になる。世界中の博物館や科学館で、宇宙や月をテーマにした展覧会や活動が行われる。イギリスでは、レスターにあるナショナル・スペース・センターのSpace Oddities galleryで、新たにアポロ号の展示を行う(9月まで)。しかし、メインイベントはロンドンで行われるムーンフェスティバルだ。マーガレット・アトウッドによる、魔法と月についての講演、月をテーマにしたジャズの地下コンサート、1969年以前に生まれた人向けの深夜のキャバレーなどが予定されている。このフェスティバルの目玉にはほかに、ミッドナイト・ラン、夜咲き庭園、ライトを投影して行う街頭パーティー、天文学キャンプ、生演奏がある。
• 7月19日~26日、moonfestival.co.uk

 

この記事はThe GuardianのRachel Dixonが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。

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