日本のキャッシュレス化に伴い、LINE創業者が代表権のある取締役に

May 14, 2019
日本のキャッシュレス化に伴い、LINE創業者が代表権のある取締役に
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LINE株式会社は、その創業者に代表権を付与することとした。日本最大のメッセージサービス会社である同社が、日本におけるキャッシュレス化への流れに乗り再び成長することを目指しての動きだ。

木曜日の同社による発表によれば、慎ジュンホ氏の昇格は4月1日付。慎氏は代表取締役社長CEOの出澤剛氏、取締役CSMOの舛田淳氏とともに、3トップの一角となる。

利用者数が頭打ちとなり、広告に依存するビジネスモデルが課題となっているLINEは、決済サービスの強化に取り組んでいる。これは同社が展開する他の金融サービスを下支えし、テンセントのWeChatのようなオールインワンアプリに変身するための動きだ。慎氏の昇格の前日、LINEはオンラインフリマアプリを提供するメルカリとスマホ決済で提携すると発表していた。

「最も重要なことは、日本が現金中心の社会からキャッシュレス社会に移行しつつあるということだ」と、取締役会を前にしたインタビューで慎氏は語った。「競争という点で、今年は非常に重要なスタート地点となるだろう」

LINEの発表によれば、出澤氏が経営、収益、採用に集中する一方、LINE第3位の大株主である慎氏は、LINEのサービス競争力を高め、イノベーションを推進することに注力する。縦割り組織を崩し、自社のメッセンジャーアプリをさらなる発展に導きたいと慎氏は語った。LINEアプリは、日本だけで8,000万人のユーザー数を誇っている。

木曜日の発表直前のLINE株価には変化はほとんど見られなかった。今年、ベンチマークとなる東証株価指数が5.9%上昇しているのに対し、LINEの株価はほとんど変動していない。Bloombergが集計したデータによれば、韓国最大の検索エンジンであるNAVERがLINE株式の73%を持ち、引き続き経営権を握っている。

日本では2011年の大震災の後、電話ネットワークが機能しなくなったことを受けて急速にLINEの普及が進み、同社は華々しい成長を遂げた。次に狙ったのは海外進出だ。だが2016年の上場以降、同社は海外展開の規模を縮小し、自社が圧倒的に優勢な市場に注力してきた。慎氏によれば、LINEは台湾とタイでは確固たる地位を築いているものの、インドネシアでトップの座を奪還するのは難しいかもしれない。

より重要なのはLINEが日本市場でのシェアを拡大していることだ。このことは、数ある競合サービスとスマホ決済の世界で競う上での鍵となる。傘下に銀行を持つEコマースの巨人である楽天や、ソフトバンク、ヤフージャパン、インドのPaytmによるベンチャーであるPayPayなどがLINEの競合相手だ。

LINEが金融サービスに参入する上で、日本で強力な地位を築いていることは「絶対的な競争上の優位性」になると慎氏は述べた。消費者は、自分にとって必要不可欠なアプリを利用したいと考えるはずだからだ。

「大きな資金力を持つ競合相手との争いに慎氏は直面している。しかし彼の強みは、多くの人が使うアプリを持っているということだ」と、Bloomberg Intelligenceのアナリスト、Vey-Sern Ling氏は語る。「さまざまな点で、LINEは中国のチャットアプリWeChatに倣っている」

決済サービスと音楽や漫画のようなコンテンツサービスに加え、向こう3年間は人工知能(AI)と銀行業務が利益に貢献するだろうと、慎氏は考えている。LINEは昨年、業務拡大のため転換社債を発行し1,480億円(13億ドル)を集めた。慎氏にとっては、これは結果を出すことへのさらなるプレッシャーとなる。

AIの世界でのLINEの実力を示す上で、スマートスピーカーも重点分野の1つになると慎氏は語った。

自称仕事中毒である慎氏は、常にリスクを計算し、過去の失敗について頭の中で反芻し続けていると語った。LINEを立ち上げる前のおよそ10年間、同社はあまり知られておらず、オンラインゲームの配信と、NAVERの検索エンジンの普及促進を行っていた。

LINEの従業員8,000名のうち、半数以上がここ3年間で入社しており、自分が新たな役職に就いたことで、社員たちの違いを認めつつ、一体感のある企業文化を育てることができると慎氏は語った。

ソウル南郊の衛星都市ソンナムにあるNAVER本社で、「LINEがここまで成長するとは、10年前には思ってもみなかった」と慎氏は語った。「自分たちが得意だと考えることをするのではなく、ユーザーのニーズを正確に読み取ったからこそ成功してきた。これからもその姿勢を保ち続ける必要がある」

この記事はBloombergのSam Kimが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。

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